2019年夏、アラフォーと呼ばれる歳になるまで大きく身体を壊すこともなく来た私が病気で入院することになった。
病名は聞いたこともない【LEGH・子宮悪性腺腫】と言う珍しい症状だった。
入院することが決まり、不安な事も多く、ネットで病気の事をググってみましたが”よくわからない”…。
私と同じ診断をされた人の為にもなると思い、心と身体が落ち着いてきたので、ここに経緯を記そうと思う。
2020春、現在私はとても元気にしていますがこの時は…こんなに大事になるとは思わず、軽い気持ちで病院に行ったのに…あれよあれよという間に、どんどん話は進み、入院退院の運びとなった。
アラフォーOLのドタバタ闘病記の始まりである。
ねるのドタバタ入院記 その1
心がおいつかないのに、どんどん話はすすんでいく。立ち止まっている間に病気は進行していくので、心を置き去りにして、まずは身体を治すことに専念をする。
初診
会社で行っている健康診断の結果、婦人科にて【再受診】との結果。子宮頸がん検査にて、ポリープが見つかったためだ。去年もポリープがみつかったのだが、【経過観察】とのことだったので、そのまま1年をやり過ごした。けど、今年はそのポリープが大きくなっているとのことで、再検査になった。
健康診断結果を持ち、少し大きめな病院に行った。なにがあるかわからないので、すこしでも保険をかけようと選択したのだ。初めての再受診にびびっていたのだ…((笑)
なにを言われるかわからない、なにか言われたときに対応できないかもしれないと思い、旦那さんに付き添ってもらった。この時点から完全にびびっている。

待合室はやはり産婦人科ということもあり、妊婦さんが多い。楽しみに待っている人・不安げに待っている人が混在してところだが、割合的には妊婦さんが多いな。

いよいよ受診の時。
担当してくれた先生は、40歳くらいの女性で、落ち着いた雰囲気のサバサバした感じの人だ。


「あー、大きいポリープですね。とっちゃいましょうか。」
「えっ、そんなに簡単にとれるものですか」と私。
「すぐですよー」と先生。
カシャカシャを器具を扱う音が聞こえ、私の心臓はバクバク。早く終わらないかなぁと思っているところで、先生が一言。
「ぐりぐり回してもとれないので、ハサミで切りますね」
「えー、先生、麻酔もしていないのに、痛くないですか」と即座に質問。
「大丈夫。大丈夫」あっさりと言われ、ちょきんと切られた。「痛くなかったでしょ」と先生。「縫っておわりですよー」と言われ、10分程度で処置は完了した。
隣の部屋に移り、問診。
取ったポリープを病理検査にまわすが、おそらく陰性なので大丈夫だと思いますよとのこと。検査結果がでるまでは、安心はできないが、ひとまずはよしとしよう。

そのあと、健康診断とは関係ないが、自覚症状があった「帯下(おりもの)が多い」ということを先生に告げた。
体調の変化・ストレス・睡眠不足・ホルモンの乱れなどで、おりものの量は変化するとのことだが、私の場合はその量が日常的に異常に多かった。
どれくらいの量かというと、朝起きたら下着はびしょびしょ・Gパンをはいてもしみがつく・おりものシートを1時間で取り換え・極めつけは、旦那さんから「おもらししているのかと思った」といわれる始末…それほどおりものの量が多かったのだ。
量が多いことが関係しているかわからないが、慢性的な疲れ・だるさ・肩こり・頭痛・吐き気などもあることを告げた。
触診した結果、確かに量が多かったので、詳しく検査してみましょうということになり、次回予約のMRI検査を予約した。

この時の私は、まだ危機感がなく、MRI検査で原因がわかればいいなと思うくらいの気持ちだった。
MRI検査のことを伝えた旦那さんの反応も、のほほんとした雰囲気で、「OK」と軽い返答。
きっと、私と同じ気持ちだったのだろう・・・このあとから、あれよあれよという間に状況が急下降していく。
MRI検査
6月27日 MRI検査。
人生初の造影剤!!! いざ、検査へ!
その日は、検査のみですぐに終わった。

造影剤のリスク
造影剤アレルギーについて:
MRI検査ではヨード造影剤を使用しますので一定の頻度で次のような副作用が生じることが知られています。
1 .軽い副作用:かゆみ、発疹、発赤、悪心、嘔吐、100人に1人以下の確率で起こりますが、特に治療を必要としないことが多いです。
2 .重篤な副作用:息苦しさ、嗄声、血圧低下(ショック)、意識消失、腎不全、発生する頻度は、2.5万人に1人、入院のうえ治療が必要です。
3 .遅発性副作用:頭痛、嘔気、かゆみ、発疹、咳、冷や汗、動悸、発生頻度は1000人に1人、検査後数時間から数日後に副作用が発生することがあります。
7月12日、検査結果を聞きにいく日。
「まー大丈夫でしょ」と思っていたが、念のため、旦那さんについてきてもらった。
待合室で待っていたら、先生からのどうぞと言う声が聞こえ、中に入った。椅子に座るや、「今日は一人ですか」と聞かれ、「旦那が外にいます」と答えたら、「中にはいってもらってください」と言われた。
その時、はじめてこればヤバいやつだわと思い、スッと血の気がひいた。
外でまっている旦那さんに声をかけ、先生が同席してほしいと言っていることを伝えると、旦那さんもなにかを感じたのだろう、ちょっと顔がこわばっていた。
私と旦那が揃ったところで、先生から一言、本当に一言、「子宮全摘しましょう」と言われた。
一瞬なにを言われているのかわからず、思考がフリーズ、それからなにを言われているのかわからなかった。しかし、旦那さんにあとで聞くとちゃんと受け答えはしていたとのこと。
あまりのショックで意識がとんでいたのだろう。しかし、無意識でも受け答えができていたことに驚きだ。


話をよく覚えていなかったので、旦那さんに聞くと、「最低でも子宮全摘」と言われたといっていた。
私の子宮の腺腫が異常に発達しているらしく取り除くことは不可能とのこと。
この病気に名前をつけるのは難しく、その病気と確定するにはまだ検査が必要と言われた。段階をふんでひとつひとつ検査をクリアしていき、その病気にたどりつくとのことなのだ。あまりに珍しい病気なので、その先生もまだ1人しか出会ったことがないと言っていた。
今の段階でその病気に名前をつけるのなら「子宮悪性腺腫? 略してLEGH」の可能性が高いと言われた。
はじめて聞く病名にどんな病気なのかも想像もできず、ただただ不安だった。今の段階でわかっていることは、最低でも子宮全摘だということだ。
子宮全摘をする前に、子宮が悪性か良性かを確認するために、円錐切除をしてみてもいいと提案を受けたので、全摘手術をする前に、円形切除手術をうけることを決めた。

最後に先生にもう一度、「全摘をしなきゃいけませんか」と聞いたら、「とっちゃったほうが楽ですよ~」と軽いテンションで言われた。
私たちと先生のテンションの違いに衝撃を受けたが、先生の軽いテンションに少し救われたのも本当だ。
深刻に言われたら、さらに私の不安は加速しただろう。
いきなり突き付けられた病気に心は追いついていないが、検査を繰り返さなければ治せないので、前にすすむしかない。
円錐切除手術の日程が確定したので、入院手続き等の説明を受けた。
アレルギーについて・服用の薬について・体調について・入院までにしておくこと・入院してからの流れについてetc、各担当者からの説明をうけ、心配なこと・不安なことを相談し話にすり合わせを行った。
その話のなかで印象的だったことは、私は日常的に頭痛があるので、市販の頭痛薬を服用している。服用薬はイブクイックなのでそれを看護師さんにお伝えした。
その際に言われたのは、「イブは入院1日目まで服用してもいいが、バファリンは1週間前から服用しないでください」と言われたのだ。同じ痛み止めだが、成分の違いでバファリンはNGとのことだ。

細かいことも伝えたほうがいいと思い、血圧が低いこと(上90・下50)、健康診断で軽い不整脈があることをお伝えした。所要時間は1時間程で、説明は終わった。
次は2泊3日の円形切除手術について書こうと思う。
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